こたつのヒーターユニットを交換してみた

親切心がアダになるとはこのことだ!

久しぶりにオッサンの母上に会いに行った。

 

父上は既に他界していて寂しく一人暮らしをしているので、たまには親孝行しちゃるか!と親切心で行ったのが運の尽きだった。

 

 

後期高齢者の一人暮らしというのはイメージ的にも室温的にも寒々しいようで「こたつが欲しい!」とノタマウのである。

 

オッサン:「エアコンがあるだろ!」

 

後期高齢者:「電気代がもったいないので使っていない。こたつかストーブが欲しい!」

 

オッサン:「もう脳にサビがきているからストーブで火事でも起こしたら洒落にならん。こたつならあっただろ?」

 

後期高齢者:「引っ越した時に壊れた。あんたが壊したろ!?

 

 

確かに、引っ越しを手伝った時にこたつの赤外線ランプが”バリン!”と音がして割れたのを記憶している。

 

少々昔とは言え、いまだにこんなランプ式のこたつを使ってんのかよ!?…っと驚いたものだ。

 

コヤツは脳の接触が悪いクセに、くだらないことは記憶しているようだ。

 

 

 

オッサン:「こたつってコレのこと?・・・・・」

 

壁に古臭いこたつが立てかけてある。

 

危ないから割れたヒーターユニットは取り外したんだよな〜。

 

テーブルとしても使ってないようで何の役にも立たないなら捨てればいいのに、この世代はもったいない根性が強いので捨てずにとっておいたらしい。

 

聞くところによると、このこたつはコヤツが結婚した時に買ったらしいが、それって半世紀以上前のお話なのでは…

 

年代物のこたつに愛着があるらしく「何とかせぇ!」と号令がかかる。

 

「ちゃんとお礼はするから♪」

 

 

少々の引け目と”お礼”という言葉に負けて、オッサンは半世紀前のこたつを持って帰ってきたのでした。

さてどんなヒーターユニットを選べばいいのやら・・・

帰宅し、年代物のこたつを眺めながら一体どんなヒーターユニットを取り付ければいいか考える。

 

一番先に頭に浮かんだのが、一人暮らしの後期高齢者だし、そろそろフォレスト・ガンプなので火元だけは心配だ。

 

さらに万が一こたつで寝てしまい、干からびてしまってもこれまた困る。

 

ヒーターユニットの基準は自動的にスチッチが切れる機能は欲しいなという結論になる。

 

 

という訳で、いつものようにネットサーフィン。

 

使い捨ての現代、こたつのヒーターユニットだけなんて求めてる人なんていないだろうからレアな商品だと思っていたら、かなりの種類があるんですね。

 

驚いたのは掘りごたつ用のヒーターユニットまで…

 

掘りごたつなんて今の時代にあるんかな?

 

お値段の幅も結構広くてさまざまだ。

 

 

値段の差はヒーターの種類とスイッチコントローラーの機能の違いで決まるらしい。

 

ヒーターは昔みたいにイカ飯みたいな形の赤外線ランプ式なんて骨董品で、現代はU字型のチューブみたいのが内蔵されている。

 

ヒーターの種類は「カーボンヒーター」「ハロゲンヒーター」「石英管ヒーター」とあり、何が良いのか分からんが、お値段もカーボン>ハロゲン>石英管の順番だから何かしらの違いはあるんだろうて。

 

ヒーター管の寿命はカーボンとハロゲンは約8,000時間、石英管は約5,000時間となっているが、棺桶に片足つ突っ込んでる高齢者が使うもんで、こたつ寿命より先に旅立つだろうから何でもいいや!

 

 

コントローラーはいくつか種類があって、単純にスイッチだけの奴からタイマー付きやエコ機能まで付いた奴もある。

 

このコントローラー単体だけでも結構な値段するみたいで、当然高性能になればなるほどお値段もジャンプアップ!

 

 

例の条件【自動的にスイッチが切れる機能】付きで、いろいろと商品を探すとあるにはあるが、思ったよりもお値段するのね…

 

これだけ出すなら、もうちょっと頑張ればお安いこたつ一式買えるんじゃね?っと少々複雑な心境に陥る。

 

 

悩んで選んだのが、メトロ 取替ヒータ MHU-600E(N) U字型ハロゲンヒーター※現在はMHU-601E(DK)という新しい製品が出ています

 


 

お値段も手頃でひと通り良さそうな性能だから。

 

問題はコントローラーが自動で切れるタイマー式ではないということ。

 

コレは悩んだんだけど、タイマー式の商品となると本当にこたつセットが買える値段になるからね〜

 

ヒーターユニットとコントローラーを別々に!という作戦もあるが、ヒーターユニット単体だけでは売って無いようで、いらないコントローラーが付いてきてしまう。

 

まぁ、そもそも別々に作戦なら本当にこたつ買えるじゃん!という話になる。

 

今回は古いこたつテーブルを再利用というのはどうしても譲れないテーマ。

 

老い先短い老人のノスタルジーを満たすという、ハートウォーミングなオッサンを演出しなければならない。

 

っという訳で、この商品に落ち着いたわけです。

 

万が一、電源を切り忘れて老人が干乾びたらそれはしょうがない!寿命と思おう!!

 

 

 

さっそく注文ボタンをポチットな!

 

注文してから気がついた。

 

”ヒーターユニットの購入代金はお礼に上乗せされるよね・・・当然・・・”

 

とても不安になったオッサンなのでした。

注文したこたつのヒーターユニットが届いた

数日後、こたつユニットが届いた。

こんな感じなんだ・・・

 

それほど大きくないがズッシリと重い箱

 

 

内容物は、こたつヒーターユニット、電源コード(電子コントローラー)、取り付けビスなどの付属品、取扱説明書

必要最低限の内容物で好感が持てる。余計な広告とかいらないです

 

スペーサーとビス類。ヒーターユニット取り付けビスだけは使う予定

 

やはりコントローラーはタイマー付きではないよね…

でも、このコントローラーだけでも数千円はするシロモノ

 

天板側はこんな感じ

 

結構薄い。薄型コンパクト時代の流れを感じる

 

 

試しに電源を入れてみた。

 

中央のファンが回ってカッコいい。そういえばコレって「温風ヒーター」って書いてあったな。

 

 

最強にするとかなりのパワーだが、年寄りって水分が少ないからこのパワーで燃えやしないか心配になる。

かなりのパワーだ。コレなら温かいゾ!

ヒーターユニット交換作業開始!

いよいよ半世紀前の化石的なこたつへヒーターユニットを取り付けます。

 

今回の生け贄はコイツ。

 

足は作業の邪魔だから外しています。怪しい大きなシミが年季を物語る。

いったい何のシミなんだ?

 

 

裏側はこんな感じ。

 

見るからに昔風なイカ飯型の赤外線ランプヒーターが付いていましたというご様子。最新のヒーターユニットなんて簡単に取り付くはずもない。

訳の分からん穴がいっぱい空いている

 

 

裏板を外してみると、華奢な骨組みが出てきた。

 

まぁ、テーブル上の荷重は外枠が担当するからこんな程度の骨組みでもいいのだろう。

安っぽい作りに閉口した

 

 

既存の骨組みに新しいヒーターユニットを取り付けると、こんな感じにかなりズレる。

コレではこたつ内の暖かさにかなりの偏りが出そう

 

 

嫌な予感が的中し、全て分解して天板から骨組みから新しくするしかないようだ・・・

 

とにかくビスは全て外す。

ビスといっても足が付いていたこの部分しかないのだけれども・・・

 

 

イヤラシイことに接着剤で固定されている。

 

接着剤の部分はカッターで切り込みを入れてみる。

 

 

やっと、1辺が外れました。

 

接着剤は気にしないで、軽く叩けば簡単に外れました。さすがに半世紀経過しているので接着剤も脆くなっているらしい。

 

 

ガンガンに叩いてチカラづくで全て外しました。

 

 

まずは天板を新しくします。

 

天板の材料は”アルミ複合板”を使います。この材料は発泡樹脂を薄いアルミ板でサンドイッチしたもので、こたつの熱くらいには耐えると思う。たぶん・・・

 

 

天板は木枠のスリットに差し込む構造で、このアルミ複合板は古い天板と同じく3ミリの厚さなのでバッチリだ。

 

会社に調度よい大きさの材料が捨ててあったので拾ってきました。多少のキズはあるが、どうせテーブルが上に乗って見えなくなるからこれでいいや!リサイクルというかリユース?リデュース?って言うのかな。

 

どうせ見えなくなるからキズは気にしない

 

 

古い天板を定規代わりにしてカットします。

 

 

大きいカッターで何度か刃を入れると切れます。

 

 

とりあえず形になった!シミつき天板もこれでお役御免だ。

 

 

外した木枠のスリットに差し込みながら、四隅の足を取り付ける金具を取り付けていきます。

 

 

ヒーターユニットはこんな感じに真ん中に取り付く予定。

 

 

木枠と天板を固定しました。木枠のスリットに天板を差し込んで、四隅の金具をビスで取り付けるだけだから簡単でした。

 

 

お次はヒーターユニットを取り付ける骨組みを天板の下にはわせます。補強の意味もあるけど、テーブルの荷重は木枠が担当するからそれほどしっかりと骨組みを作らなくても大丈夫でしょう!たぶん・・・

 

骨組みに使う材料は、プラステック製の角材。木材同様にノコギリで切ったり加工できるし、腐食しないから便利。まぁ、こたつで使うから腐食はしないか。

 

 

ヒーターユニットを固定するビスの長さは3cmだから、骨組みの角材は厚さ2cmくらいまでじゃないと、しっかりと固定できないかもしれませんね。

 

 

手動でノコギリを使うのは重労働なので、電動丸ノコでじゃんじゃん切ってゆく。あ〜楽ちん!

 

 

ヒーターユニットを固定する骨組みには、取り付けビスの穴をあらかじめ開けておきました。ビス径は4ミリだから、少し余裕をみて5.5ミリの穴を開けました。

 

ヒーターユニットを固定するのは二辺だけだから、二本の骨組みに穴を開けておけばOKです。

 

 

まずは最初の二本の骨組みを固定完了。

 

木枠と天板からビスのみで留めています。

 

接着剤で固定しようかとも思いましたが、こたつが温まって有毒ガスが出て後期高齢者に不具合があったら面倒なので、ビス留めオンリーにしました。考え過ぎかな・・・

 

 

さっそく、ヒーターユニットを取り付けてみました。骨組みはこれだけでもいいぢゃん!とも思いましたが・・・

 

 

やっぱりもうチョット頑丈にしておこうかな・・・と気持ちばかりの骨組みを入れました。

 

これで完成だ!作業時間は90分程度。

 

手間かけさせやがって!お礼はたっぷりせしめてやる!!

 

 

上側からだと固定ビスが見えるが、どうせこの上にはテーブルが乗るから隠れるし。

 

 

スイッチオンしてみた。かなりのパワーだ!中央のファンが廻ってカッコいい!

 

 

これだけパワーがあると熱で骨組みが溶けやしないかと心配になるが、直に触っても全然平気なので大丈夫でしょう。

 

 

天板側も全然熱くなっていない。これなら安心だ!

 

「使い心地はど〜よ!」

母上宅に見違えるようになったこたつを持って行ったら、想像以上の出来だったらしく感動していた。

 

奇しくも、この日は父上の命日だったので、調度よい親孝行になった。

 

 

後期高齢者(母上):「お父さんが生きていたら、きっと喜ぶわよ!」

 

オッサン:「”死人に口なし”っていうからね!」

 

気の利いた言葉が浮かんでこなかったのでついつい出た台詞だったが、会話になっているようでなっていないと自分でも思った。

 

 

 

数日後、こたつの使い心地を聞くために連絡してみた。

 

オッサン:「ど〜よ!かなりのパワーでしょ!!」

 

後期高齢者:「あ〜アレね、電気代がもったいないから使ってない!」

 

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

 

オッサンの苦労が走馬灯のように流れていった・・・

 

”お礼”の交渉もこれからだ・・・

 


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