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  • 夜アナゴの船釣り仕掛けを自作してみた
    夜アナゴの船釣り仕掛けを自作したんだけど以前と言っても、もう二年も前になる。船釣り専の友人オッサン2号の企画で、東京湾で夜アナゴの船釣りに行ったことがあった。前から誘われてたんだけど、オッサンはず〜っと二の足を踏んでいた。その理由は、夜の水辺に近づきたくないから。明るいうちはお洒落で人出もあるベイサイドも、夜ともなればその雰囲気は一変する。本来、海は人間の世界ではない。東京湾のように人手の入ってない場所が微塵もない港湾も、海と人間界の境界であり決して安心安全とは言えない。それが夜ともなれば殊の外である。こういう話は眉唾ものなので信じる信じないは人それぞれだけど、オッサンは”見る質(タチ)”だった。そう心霊系の話である。「だった」とオッサンは書いた。つまり、以前はよく見て感じてたけど現在は全く無いということだ。コレが歳のせいなのかは分からないけど、転機は結婚&父親になった頃くらいだったかな。子供〜若い頃はバリバリにとんがってたから酷いもんで、魑魅魍魎と同居していたという恐ろしい事実。あの頃はそれが普通だと思ってたけど、今考えるとよく頭が狂わなかったな〜とも思う。あれから数十年後の現在、人間として落ち着くと、それらも無くなり今は平和な日々でございます。とかく幼少〜若年期は何かと敏感なので気をつけたほうが良いですね。よく面白半分に心霊スポットに繰り出す若者がいるが、ここで言っておきます。絶対行っちゃダメですよ!!あ〜いう場所は質が悪いのがほとんどで、一度喰い付かれたら離れないのが多い。塩で清めるとかもらった御札に守ってもらうなんて焼け石に水で、そんなの彼奴らには蚊に刺された程度でしかありません。もう一度だけ言います。絶対に近づいちゃダメ!!面白いのはって面白がっちゃいけないんだけど、たいてい喰い付かれるのはビクビクしてる人。「全然怖かぁ〜ねぇよ!」と虚勢を張ってる奴に限ってやられるんですよね〜逆にな〜んも感じなくて鈍感タイプって不思議と何ともないんですよ。人間界のいじめと一緒で、絡んで反応するほうがあっちもやり甲斐がある。全くの無反応じゃおもしろくないんだと思います。ちなみにメディアの心霊番組などで「いま触られました!」っていうお決まりのリフがあるけど、オッサン的には本当かな?と思う。こちらがあちらに触れられないように、あっちもこちらに手出しが出来ないのでは。酷い動画になると人が引きずられてるけど、とてもオッサンには信じがたい。オッサンの経験から今まで一度も接触は無かった。視覚的・聴覚的にはあったけど触覚は皆無だった。それがたまたまなのか、人によって感覚が違うのかも知れないけど…っと今回は怪しい話から入ったのですが、まぁ、あんなもんは見ないほうがいいし見る必要もないですよ。な〜んも良い事がないし、ここまで読んだ方が感じた通り「んな訳ねぇ〜じゃん!」と一笑に付されるか人格を疑われるかのどちらかだ。というわけで、いくら好きな釣りとは言え夜の出撃なんて信じがたい話だ。あちらさんは24時間営業で昼夜関係ないんだけど、夜は人間側も敏感になるからアンテナの感度が違う。だもんで夜&水辺なんて最悪の相性である。釣りモノってけっこう暗くなった夜に釣れるのが多い。暗くなることで魚の警戒心が薄れ、エサをよく食べるから。なので友人や釣り仲間から「今度、夜に行こうよ!」と誘われたりするんだけど、オッサンは「滅相もございません!結構でございます!!」と丁重にお断りするのが常だった。しかし、何で断らなかったのか記憶がさだかでないが、その夜のアナゴ釣りは断らなかった。単にアナゴが食べたかったのか、興が乗ったのか、もう大丈夫と思いたかったのか…恐怖の夜海に繰り出したのだった。アナゴ釣行に望むにあたり準備をしなければならない。タックルはシロギス用で代用できるらしいから助かるが、仕掛けは独特のものだった。リーダーに発光するケミホタルを取り付け、釣り鐘オモリという見たこともないオモリの下に針が位置する仕掛け。なんじゃこりゃあ〜!(「太陽にほえろ!」ジーパン刑事)だった。この仕掛けで船下に着底させ、小突きまくるという釣り方らしい。シンプルと言えばシンプルで初心者には優しくて入りやすいが、オッサンには甚だ疑問だった。実釣したが、当日は激渋な日だったらしくオッサンの釣果は二匹…その釣果はともかく、船アナゴって釣り上げたアナゴを捌いてくれるサービスがとてもありがたかった。まぁ、あんなクネクネした生物を自分で捌くなんて普通は出来ないだろうし、それ故、誰もアナゴ釣りをしなくなると商売上がったりだろうからお捌きサービスが定着したんだと思う。他の釣りモノでも捌いてくれないかな〜しかしいくら渋い夜だからといって、単にお魚側の原因だけなんだろうか?ず〜っと疑問だったんだけど、どう考えてもそれだけじゃないような気がしてならなかった。釣りの肝はどこまでアタリを拾えるか?が勝負その疑問とはあの仕掛けである。釣り鐘オモリの下に針が配置されるアナゴ仕掛け。どんな釣りモノにも言えるんだけど、オモリの下に針が来るのは小さなアタリが取れないのではないだろうか?コレが天秤とかを介して分岐してればまだ良いけど、オモリの真下に針なんて居食い系のアタリには全く反応できないだろう。何であんな仕掛けが定着してるの?誰も疑問に思わないのだろうか?そこで他ではどうなっているのかを調べてみた。しかし全国的にはアナゴ釣りは陸っぱりがメインらしくて、船に乗ってアナゴ釣りをするのは東京湾か宮城県の一部でしか見つからなかった。どこかではスポット的に船釣りもあるんだろうけど、それは分からない。つまりはアナゴの船釣りはあまりにニッチな釣りモノで、それゆえ釣り人口が限られ、進化が止まっているのでは?釣りとはその土地土地のカラーがあって、それらが相互作用や両方向のインタラクションによって進化してゆく。しかし今回のアナゴの船釣りのように一部のスポットでしか行われてないものは、一度そのやり方が定着してしまうとなかなか進化しずらいものだ。そこでオッサンが目を付けたのは、もう一つのスポット宮城の船アナゴ釣りである。こちらの仕掛けは東京湾とは違って、胴付き仕掛けと呼べるもの。コレを見た途端オッサンの頭上のLED電球がペカ〜っと光った。「コレやん!」考えてみれば、オッサンが釣りで使っている仕掛けは胴付き系が多い。オモリを一番下に配置しハリスはその上だから魚のアタリには敏感だし、一番重いオモリが一番下だから操作もしやすい。反面、東京湾の釣り鐘オモリ仕掛けは20号とか25号のオモリの下に針が来るもんだから、アナゴがかなり引っ張ってあの重いオモリを動かさないとアタリとして感知出来ない仕組み。そんなハッキリしたアタリって全アタリの何割あるん?アナゴのことはよく分からないけど、他の釣りもので考えてせいぜい1〜2割が良いところだろう。つまり少なく見積もっても5倍のアタリを見逃しているということだ。コレじゃ〜2匹しか釣れないのも納得。このオモリを引っ張らないとアタリにならないのはどうにも…コレが船アナゴ釣り胴突き仕掛けだ!っという訳で、忘れないうちに船アナゴ釣りの胴付き仕掛けを作ってみることにした。参考にしたサイトは、ご丁寧に仕掛けの細部まで載せてくれてとてもありがたかった。その仕掛けは船宿のオリジナル仕掛けで、マネして作るのもOKだそうでなんて懐の深い船宿なんだ!?写真では分かりづらいので図にしてみた。図解「コレが船アナゴ胴付き仕掛けだ!」アナゴって釣り上げるとグルグルと仕掛けに巻き付いてくるから、オリジナルはもっとごついラインで作っていたんだけど、オッサンは手持ちのラインで誤魔化した。あくまで見た目だけマネてみただけだから本物とは違うんだけど、形だけはこんな感じ〜で作ってみた。【今回使った材料】ライン:ナイロン7号ヨリモドシ・スナップ付きサルカン:7号くらいオモリ:六宝型20号(オモリは小田原でも何でもお好きなもので!)気分で発光玉では作っていきましょう!まずはナイロン7号2本を撚ってハリスを作ります。先述の通り、アナゴが仕掛けに絡まっても容易に外せるようにゴツく作ります。逆を言えば、仕掛けが繊細じゃなくてもアナゴは喰ってくるということですね。ナイロンラインを1mカットし、ヨリモドシを入れます。頂点にヨリモドシが来るように半分にして、エイトノットで固定。結び目はなるべく小さくこのヨリモドシがハリスの先端部になり、幹糸方向に向かって撚っていきます。次にヨリモドシを固定していよいよ撚り始めます。オッサンはこんな感じに固定。固定方法はど〜でもいい2本のラインを撚りますが、一回一回しっかりと撚らないとほどけてしまいます。力加減が肝で、緩いとほどけるし強すぎると変な形になるし、2本を均等な力で撚らないとコレまたいびつになる。けっこう力加減が難しいぞ!先端より27cmまで撚ったら片方のラインにヨリモドシを入れ、再び撚り始めます。コレを忘れると一本針になっちゃいますよ〜無心で作業してると忘れちゃうんだよね今ヨリモドシを入れた箇所から15cmまで撚ったら、撚ったラインごとエイトノットで固定します。コレでちょうど13cmの長さになるハズ次は幹糸と直接連結します。この直結というのがこの仕掛けの肝らしい。幹糸の然るべき位置に、いま撚ったハリスの一本をエイトノットで仮固定。仮固定すると作業がしやすいその流れでハーフヒッチを5回やって固定。次は反対方向に反対回しのハーフヒッチで5回やって固定。これで完全に固定この直結部から幹糸の下側3cmにスナップ付きサルカンとオモリ。上側60cmにサルカンを付ければ出来上がり!コレで完成じゃ!針はお好きなもので良いと思いますが、5号前後のラインをパイプに通す形が一般的なのかな。でも針は何でも好きで良いと思いますよ!ヨリモドシ部に発光玉を入れてもgood!この仕掛けは太いラインを撚る事によって、ハリスに張りをもたせてアタリを逃さないという事と、アナゴが仕掛けに巻き付いても簡単にほどけるのが武器。アナゴのアタリ方は千差万別で小突いて何かしらの違和感を感じたら即アワセ!&掛けたら一気にリーリングにて巻き上げ!じゃないとアナゴが仕掛けに巻き付いて面倒なことになるらしいです。釣り鐘オモリ仕掛けでは即アワセじゃなくて喰わせるみたいに言われるけど、魚がエサに興味を持って喰い付くのはホンの一瞬。このブログで何度も言ってるように魚にはハリスも針も見えてます。その危険を犯してエサを喰ってくるんだから、二度目のチャンスは無いと思って一発で勝負を決めましょう!この仕掛けは、仕舞いと持ち運びのために巻いてしまうと巻き癖が付いてしまい、せっかくの張りのメリットが活かせません。なのでハリス部は直線にしたまま仕舞いましょう。オッサンはステンレス線のパッケージを使いました中身を出して適宜な長さにカットして保存&このまま持ち運びワイヤーハリスVer.とオモリのいたずらついでなのでワイヤーハリスVer.も作ってみた。この胴付き仕掛けは、ハリスをピンと張ることにより小さなアタリを逃さないというのが売り。なのでハリスが常に安定した一直線になるワイヤーを使えばいいんじゃね?と思った次第であります。「撚ることもないから手間も省けるし!」といういやらしい魂胆が無いわけではない。コレがワイヤーハリスVer.だけど、写真じゃ分からんがな幹糸とハリスの結線部及びハリスと上針部にはクロススイベルを使用。左側のクロススイベルを使用幹糸とハリスの結線部。さすがにココは直結できん!上針とハリスはクロススイベルを通してガン玉で動かないように下針部のヨリモドシとの結線はスリーブを使って固定スリーブをペンチでしっかり潰して固定このワイヤーVer.は簡単にできて直進安定性があり、仕舞いも運びも丸めて大丈夫だから面倒くさくない。デメリットはワイヤーはステンレス製で重量があり、ナイロンVer.のように海底でフワリではなくドスン!と沈んでしまうので、アナゴがそれをどう思うかが謎。予想ではナイロンVer.に比べてアタリの感度は鈍くなるかな…まぁ、ナイロンVer.の予備としての位置づけ。アナゴという生物は光るものに反応するらしいので、オモリにも小細工をしてみました。オッサンの手持ちに高輝度の蓄光テープがあったので、オモリにベタベタと貼り付けてみた。コレを加工していろんなアイテムに貼り付けてる六宝型のオモリに貼り付けた暗いとこんな感じにボヤ〜っと怪しく光る最近ではケミホタルをハメ込めるオモリがあったりして、その派手さキラキラ感は増すばかり。アナゴは光りに反応するらしいので、そんなキラキラが好きなら夜行性じゃなくて昼間に活動すればいいのに…とも思うがそれは嫌なんだろう。なんて面倒くさい生き物なんだ!?今回はオッサンの素朴な疑問に応えるべくアナゴ仕掛けを自作してみたんだけど、どうやら考えることは皆同じらしい。例の釣り鐘式オモリにもハリスをオモリに中通しにする誘導タイプがあったり、天秤を使うにしてもオモリの重さがアタリに干渉しないように工夫してあるタイプも出てきた。やはりアタリに対してあの重さがネックになるという現実は皆が感じるところ。別に従来の釣り鐘式を否定してるわけではなくて、場合によってはその方が有効なシチュエーションも多々あると思います。アナゴ釣り初心者のオッサンなんぞにエラそうに言われる筋合いは無い!と怒られそうですが、下手には下手なりの戦い方があるのです。そのひとつが今回の胴突き仕掛けであり、それを証明すべく実釣すべきですが、アナゴ釣りの予定は全くの未定。早く行きたい気持ちは富士山よりも高い山々なのですが、如何せん夜の船出はためらわれる。万が一、行く事になったら”耳なし芳一”みたいに全身に経文を書いて出撃しようと思ってます。もちろん耳にも忘れずに!
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  • 何でよ!?その2 イカ仕掛け巻きを自作するハメに…
    イカ釣りのイカ仕掛け巻きを自作するハメに!今回の獲物はコレ!相変わらず世界は例のウィルス騒動でざわついている。メディアでも、どこぞで初感染確認だの、何人感染しただの連日垂れ流してくるもんだから、こちとらはそんな情報には無痛になってて、もう何とも思わなくなってきた。こんな状況でも収入が空前絶後の好景気な人もいるんだろうけど、ほとんどの方はジリ貧どころか、コレが続けば生活ヤバいよね?と先の見えない漫然とした不安だけが増幅する。なにせ、世界中の経済が回ってないんだから、光明なんて見えるはずもない。先の見えないこの難局を乗り切るエールで『明けない夜はない』と人は言う。この難局を夜に例えるように、”夜”というワードは何かとマイナスイメージが漂う。しかし、夜があるからこそ朝を眩しく感じるし、夜にしか見えない景色だってある。ひとりぼっちで虫の音を聞きながら、センチな気分に浸る秋の夜長のように、いつもの見慣れた風景もやけにしんみり来るのも夜だからこそ。こんな状況こんな長い”夜”だからこそ、必要以上に他人の気持ちを汲み取ることもきっと出来るんだと思う。やっと見つけた貴重な箱マスクを、もっと困ってる人のためにそっと棚に戻す…こんな状況でも働いてくれてる店員さんから、笑顔とお礼でお釣りを受け取る…お一人3点限定の売出しヤマザキバナナスペシャルを2つだけカゴに入れる…いつになるのか分からないが、この騒ぎも終息してしまえば現在のセンチメンタルな気分なんて忘れてしまうかもしれない。人間は都合の悪いことは忘れる動物だから…この世界的な禍災は長く記録に残るだろうが、今自分たちが感じてるウェットな気持ちはきっと忘れてしまうだろう。でもこの出来事は、きっと世界と世界の人々のチャンネルをまたひとつ変えるんだと思う。オッサンの勤める零細企業は、テレワークや交代勤務はもとより、時短営業さえ微塵もなく、いつもと変わらない通常営業。やっと発令された緊急事態宣言なんぞクソ喰らえなブラック企業。こんな状況で通常出勤ということは、人の弱みにつけ込んで忙しいのかと思えばそんなことは全く無く、いつも以上に大した仕事なんてない。だもんで、半分ふて腐れながら余計にやる気もなく、会社で何もせずにただモサ〜っと無為に過ごしていた時だった。オッサンのガラケーが鳴る。画面表示を見ると、沖釣り専の友人オッサン2号だった。こういう時ってロクな用事じゃないのは分かりきってるので、電話に出ないで放置していた。しかし2号は、こちらのそんな様子をどこかで監視しているかのようにしつこく鳴らしてくる。あまりにもしつこいので、しょうがなく出てしまった。「ちょっとお願いがあるんだけど…」時候の挨拶なんて微塵も無く、出しぬけのお願いである。”やっぱり…”16tの酸素が音をたててオッサンの肺に飛び込んだ。「4ミリくらいのステンレス棒って切れるよね?あと、木材も30cmくらいに切って、それに穴を空けるんだけど、手持ちのドリルだと真っ直ぐに穴を開けるのは大変かな?材料のカットも…etc、etc」訳の分からん説明を始める2号。”こいつぁ、何を言ってるんだ?…”「…っで、何?」と2号をひとまず落ち着かせるオッサン。落ち着いて話を聞いてみると、どうやら2号の目的はイカ釣りで使うブランコ式のプラヅノ仕掛けを巻きつけるアイテムを自作する気でいるらしい。材料はステンレス棒と木材だけだが、木材は自分が持ってる工具でも加工できるが、ステンレス棒の加工は出来ないのでオッサンに白羽の矢をブチ込んできたらしい。”一応”作業の全容を聞くと至極シンプルだった。でも、2号が作るよりオッサンが作った方が間違いないだろう。もう話を聞くのも面倒くさいし、何よりもヒマだったので仏心でオッサンが全てを引き受けることにした。当然、こういう時に恩を売っておけば何かの恩返しもあるだろうて…と下心メガ盛りなのは言うまでもない。っという訳で、いつものようにやったことのない釣りモノのアイテムを作るハメになった。まぁ、イカ釣りをする方なら今回のアイテムはご存知のはず。今回のミッションは、イカ釣りのブランコ仕掛けを巻く『掛け枠』の製作でござ〜る。材料のチェックと下準備この流れを見据えてたように、2号がUber Eatsも真っ青の早さで材料を持ってきた。一応クライアントの要求を聞くが、ひとつだけ面倒くさい事を言ってきやがった。ソレにお応えするには少々の手間が必要だけど、ソレ以外は至ってシンプルな作業。2号持ってきた材料はコレだけ木材は2×材(ツーバイざい)の1×2(19mm×38mm)でSFPのどれかだろう。まぁ、ホームセンターで安く売ってるやつだね。どのホームセンターでも置いてるやつねステンレス棒は直径4mmの丸棒。けっこうしっかりめで作りたいらしいあとは2号が使っているイカ仕掛けも置いていった。この仕掛けを巻きつけるアイテムを作るのが今回のミッション。イカって鳥並みの知能を持ってるらしく、人類の次はイカが地球上の支配者とも言われたり言われなかったりする。しかし、こんなモノにまとわりつく程度では支配者の座もまだまだ遠いな…こんなのにまとわりついてくるイカって…クライアントの2号の面倒な要求とは、一枚の木材の幅以内に全てを収めたいということ。つまり幅19mm以内にイカヅノはおろか、ソレを引っ掛ける部分も収めるということ。ということは…↑けっこうお気に入り!ひとつだけ毛色の違うやつがいる!このファット君なツノは「スッテ」って奴かな。他のプラヅノよりも全然幅が広いぞ!作業進行を見ていくとお分かりいただけると思いますが、このアイテムは平行に並んだ2本のステンレス棒の間にイカヅノを引っ掛ける仕様。つまり、ステン棒の直径4mm×2本+ファット君が収まる隙間<<<19mmということ。しかも木材相手なので、あまり端っこに穴を開けると簡単にヒビ割れるし、何よりも耐久性が悪いので穴あけもギリギリ端っこという訳にもいかん。お手本で参考にした市販の掛け枠も、イカヅノを掛ける部分は同じような木材をダブルに重ねて厚みをもたせていた。しか〜し、2号の要求はダブル不可!というミッション・インポッシブル。2号:「ごきげんよう、ハント。さて、今回の指令だが19mmの厚さに全てを収めるのが君のミッションだ!君あるいは君の仲間が捕まり殺されても、当局は一切感知しないものとする。死して屍拾う者なし!なお、このメッセージは5秒後に自動的に消滅する。」イーサン・ハント(オッサン)は10秒ほど長考し、親指を立ててナイスなお返事。「エベレストに旗を立てるぞ!」↑まぁ、分かる人にゃ〜分かるね!というやり取りは全く無かったが、2号からこの説明をされてる時には既にある案が浮かんでいたのでした。では早速ミッション開始だ!まずは少々下準備が必要になったので、その製作から。幅19mm×厚さ4.5mmの平鋼を会社から失敬し、50cmで2本カット。4.5mmとしっかりした厚みそれにドリルで直径6.8mmの穴を開けます。写真には無いけど、穴は2つずつね次にハンドタップでM8mmのネジ山を立てます。ハンドタップ垂直にネジを立てるのって意外に難しいタップ完了!お次は8mmのボルトを入れていきます。まずはこんな感じ後はそれぞれにコレで完成!コレは一体何でしょう?ってもったいぶる程のもんでもないですが、コレは製作時間15分のなんちゃってベンダーです。ベンダーとは曲げる為の治具で、今回はステンレス棒を力づくで曲げる為に作りました。いよいよイカ仕掛け『掛け枠』の自作開始お待たせしました。やっと本題の掛け枠製作開始です。完成の寸法は写真の通りで、ステンレス棒は木材内へ30mm埋め込んでます。全長は30cmです順番はど〜でもいいけど、一番面倒いイカヅノを掛けるステンレス部分から開始。120mm×3本、125mm×1本が掛け枠ひとつ分の本数です。油性マジックで印をしてカット今回は丸棒のカットはディスクグラインダーです。鋼材をカットする専用機のメタルソーもあるのですが、ステンレスをカットするとすぐに刃がダメになるので簡易なグラインダーでカットします。ステンレスって結構手強いんだよねカット面にはバリが出るのでグラインダーで面取りします。本当は切刃でやっちゃダメなんだけどサこんな感じに面取り次に125mmのステン棒を曲げます。先程のなんちゃってベンダーにステン棒をセット!セット位置はこんな感じあとは力づくじゃ!ステンの4mmともなると硬い直角になるように微調整直角に出来たらベンダーから外します次に余計な部分をカットするのですが、カット寸法は使用するイカヅノによって違うと思われます。今回はステン棒の内側から6mmでカットしました。つまりイカヅノの引っ掛け部の全幅は、ステン棒4mm×2本+隙間6mm=14mmとなります。6mmでカットステン棒は全て木材に30mm埋め込むので、長さを揃えます。曲げた先(写真では左側)が埋め込み部さて、いよいよこの作業のキモの溶接です。いつもは軟鋼を溶接している半自動溶接機ですが、今回はステンレス用のワイヤーにチェンジしています。本来ならTIG溶接機があればキレイに仕上がるのですが、そんなオシャレな機械はないので…4mm丸棒という細い材料なので、溶接作業は一瞬の勝負になります。けっこう緊張一瞬勝負終了。ちょっとやり過ぎた…この機械でのステン溶接は黒くなるので軽く磨いて黒ずみを落とすもうここまでご覧いただければお分かりですね!そうです!変形Uの字にして穴を一か所で済むようにしたのが今回のミッションだったのです。最後に、接着剤が密着しやすいように埋め込む部分にヤスリで傷を付けます。ガリガリとね。この作業は気持ちの問題かなお次は木材のカット。この程度ならノコギリでも十分だけど、一応機械があるので楽をします。使うのはスライド丸のこなんだけど、会社にあるのはかなり古いタイプで鬼のようにデカくて重い。最新式のは小さく軽量で、レザーマーカーが付いてたり充電式だったり。鬼の重量&デカイ!でもよく切れるよ!!木材は30cmにカットします。30cmにカットカット面も美しい当然、角は面取りします細かい気配りは大事!次に所定の位置に穴開けですが、幹糸を巻きつけるステン棒はセンターですが、もうお分かりのようにイカヅノ棒はズラさなくてはなりません。今回はセンターから3mmズラしました穴を開ける機械は卓上ボール盤。まぁ、手持ちのドリルでも穴は開くけど、30mmの深さを垂直に開けるのって結構テクニックいると思うよ!特に今回は穴位置が微妙だし…何でこの機械を「ボール盤」と呼ぶのか?どこにもボールなんて見当たらないんだけど…と思って調べてみたら、オランダ語のボーアバンクboor bank(ドリル台)に由来していて、なんでオランダと思ったら江戸末期に工作機械がオランダから輸入されてたためらしい。bank=「盤」はただの当て字らしい。ガッテン!ガッテン!背景が汚くて申し訳ないっす!さすがに穴専用機械だ。垂直穴は当然ながら、穴の深さもミリ単位で調整できる。キツくてもゆるゆるでも困るので、キリは直径4.2mmを選択。やはり専用機はいいね!穴開け完了!今回2度目のご出演穴位置が微妙にズレてる事を…こっちがイカヅノ棒穴こっちは幹糸棒穴とりあえずこんな感じに仕上るいよいよ最後の作業、棒と木材の接着です。使う接着剤は信頼の2液性エポキシ系接着剤。強度、異種材料の接着もOKと申し分なし2液出して練り練りとね!硬化時間が30分〜だから、気持ちに余裕を持って作業出来る塗布量はこんなもんかな…接着剤が全面に付くように、適当に出し入れしながらズブズブ〜っと入れる。ちょうどいいくらいの溢れ加減溢れた分は楊枝で取り除く丸一日乾燥させたら完成!!完成じゃ!お疲れさまでした市販の掛け枠は、幹糸を掛けるステン棒は60mmくらいで短かった。クライアントの2号に確認したら「ツノ部と同じ長さで!」という事だったので、同じ長さで製作しました。ちなみに今回の納品分。いつもながらひとつだけ作ることなんてなくて、材料があるだけ作ったさて、一番手前の白いのは何でしょう?コレはプラスチック樹脂で、木材と同じようにノコで切ったり出来る素材です。木材ベースだと、海水だったり、手に付いたイカのヌメリだったり、イカ墨だったりが染み込んで、乾かしたり汚れが落ちなかったりでいろいろな問題があると思われる。そこで簡単にお手入れできる素材なら良いのジャマイカ!?とおひとつ作ってみました。試しに2号の仕掛けを巻いてみた。ちゃんと綾掛けでやってみましたが、キレイに巻けるもんだ。ただ、やはり幹糸を掛けるステン棒はもっと短い方が巻きやすいと思う。まぁ、オッサンがやる訳じゃないからど〜でもいいが…キレイに巻けるがステン棒は短い方が良いと思うよ市販の掛け枠には、巻き始めは輪ゴムを引っ掛けるヒートンが付いてたけど、それは2号がセルフサービスなんとかするんだろうから、とりあえずでテープで貼った。というわけで、オッサン・イーサン・ハント「ミッション、無事完了!」恐ろしいのは、よくよく考えてみると2号が依頼してきた釣りものアイテムで、オッサンが実釣していない釣りものって無いんだよね。っということは、オッサンのイカ釣りデビューも近いのかな…まぁ、それは考えないようにしよう。今回の掛け枠で2号のイカ釣りレベルがどれくらいジャンプアップするのか知らんが、イカが釣れたらおすそ分けもくれるだろうて…ぽっぽ焼き、煮物、バター炒め、マリネ…イカレシピって多いから楽しみだな〜って思ってたんだけど、材料を受け取った時の2号のセリフを思い出した。「イカ釣りって釣れる日にあたったこと無いんだよね。いつも渋い日ばかりで…」イカは自分で買ってくる方が早いと思った。後日、2号がパッケージングの写真を送ってきた。仕掛け巻きをまずクリアファイルに入れ、更にジプロックで密封しているらしい。ずいぶん厳重保管だな…今回の2号の仕掛けは7本ヅノだったけど、イカ釣り上級者は15本とか20本ツノでやるらしい。さすがにその数ともなると特別な仕掛け巻きが必要かな?と思ったけど、ちょっと考えてみたら別に難しくないな。今回仕様のツノ部を手前と奥にダブルに配置して、手前と奥で交互にイカヅノ掛けていけば出来るんぢゃね?まぁ、市販品みたいにツノ部の木材は二重になるけどね。機会があったら試作してみようかな。イカ釣りやらないけどサ!追加発注あり!納品した翌週に2号から掛け枠の追加発注が来た。前回納品したブランコ式仕掛け用の掛け枠×6個、直結式仕掛けの掛け枠×6個という内容。ズラリ!今回の納品分直結式の掛け枠の場合は、ツノをステン棒に掛けないから単純に3本のステン棒を並べるだけで良いらしく、簡単だった。こちらが直結式仕掛け用。どうやって巻きつけるのか知らんが…受注時に「この前仕掛け巻き作ったばかりなんだから、もういらんだろ!?」と2号に言ったら、「ヤリイカ、スルメイカとか釣りモノによっても仕掛けが違うから、いろいろ必要なんだよね…」と2号。つくづくイカ釣りに手を出してはいけないと心に誓うオッサンなのでした。
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