2021年6月13日。2021年夏シーズン2回目のハゼ釣りに行ってきました。
釣り場:東京都下水道局東糀谷ポンプ所裏天気:曇りのち晴れ釣行時間:5時30分くらい(潮位:185cm満潮)〜8時30分くらい(潮位:140cm下げ3分)中潮釣果:マハゼ7匹!(6cm〜8cm)
竿:3.6m時々2.0m 道糸:ナイロン0.8号 ハリス:ナイロン0.6号ハリ:袖1号スレ オモリ:自作Fe(鉄)オモリ。1号相当の重さエサ:ベビーボイルホタテハリス3cmの胴付ミャク釣り仕掛け
【マハゼ(英名/Spiny goby,Yellowfin goby)】分類:顎口上目硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目ハゼ亜目ハゼ科マハゼ属学名:Acanthogobius flavimanus (Temminck and Schlegel)
河口域、汽水域に普通に見られる小魚。発生数も多く、河口域などに群れているので目立つ。小さい頃から盛んにエサを追いかけるので、子供などの釣りの入門種ともなっている。古くは非常にたくさんとれていて、鮮魚として、また干物、乾物、佃煮などにも加工されなじみ深い魚であった。これが河川、河口域の乱開発、汚染で激減。現在では高級魚となっている。
ずっと昔から東京湾で大衆釣りの代名詞でもあったハゼ釣り。
とりあえず餌付けてぶっ込んでおけば、嫌でも釣れたハゼ。
オッサンが幼い頃もそうだった。
近所の川で適当にやっても釣れるほど身近で簡単な釣りモノとして、人気というか手軽というか暇つぶしにもってこいだった。
確かにそうだった。昔は…
月日は流れ、21世紀のハゼ釣りはどうだろう…
少々前まではまだハゼが釣れていて、一回の釣行で1束(100匹)は当然の当たり前。
調子良ければ、そのまま時速100匹ペースで飽きるほど釣れていた。
しかし、ここ数年の釣果は著しく激減している。
たま〜に調子が良い日もあるんだけど、そんなのはひとシーズンに片手で数えるくらい。
ほとんどは70〜80匹止まりが多くて、酷い日なんて数10匹で撃沈もあり。
このようなダメが数年続いたからいくらなんでも今年は復活すんぢゃね?を期待していたんだけど、どうやらその期待は絶望に変わりそうだ。
ダメだったここ数年間でもこの時期はメダカサイズながらも、そこそこの数は上がっていた。
しか〜し、2021年6月初旬現在は悪夢のような惨事である。
今日なんて3時間粘って7匹だ!
「まぁ、オマエの腕が悪いよ!人のせいにすんなよ!!」
もっともだ。
オッサンの腕が悪いといえばグゥの音も出ないが、一応、本日の出撃に際しては各種情報筋からのタレコミを総括しての釣行だった。
ありがたいことにオッサンが愛車のチャリで行ける範囲でのハゼ釣り場では、仲間からのリアルでホットな釣果報告を頂くんだけど、どこもかしこも激渋という調査結果ばかり。
釣りってある日突然釣れたり釣れなかったりするんだけど、昨日の今日でしかもそれほど大きく変わらない状況なら釣果も大きく変わることもないだろうて…
それならば!と誰も行ってない釣り場に赴き、オッサンひとりが爆釣で良い思いをしてやろう!といういやらしい気持ちが無いわけでもなかった。
人は他人を出し抜いてやろうという考えが鎌首をもたげるとセコくなる。
まだ行ってなくてこの時期に釣れそうなポイントを頭で巡らせる。
っという訳で、オッサンのソロバン並みのスパコンが出した答えが本日の現場だった。
これが地獄の選択になるとは、針の先ほども思わずに…
本日向かう現場は昨年ちょっと通った釣り場「東糀谷ポンプ所裏」
マイナーな釣り場で、この施設の正式名称すら与えられてない所在なさ。
だもんで釣り人は少ないから場所取りは考えなくて良いんだけど、マイナーという事は大したことないという事でもある。
確かに、昨年はこの現場で爆釣という事は全く無くて、そこそこ程度しか釣れなかったと記憶しております。
愛車を漕ぎながら昨年の釣果を思い起こし、少々不安になるオッサン。
やっぱ違うポイントにしようかな?と心変わりした時は時既に遅しで、現場は目の前なのでした。
懐かしのマイナー釣り場
到着時間は5時30分くらい。
先週はダメだったもんで今週は絶対にリベンジしちゃる!と意気込んで頑張って早起きで来たのですが、その意気込みは現場到着と同時に萎えた。
その原因はまたしても工事。
こんなすぐ脇で浚渫工事してるやんけ!
これは後から聞いたんだけど、ここのすぐ脇の水路を埋め立てるらしくそのための工事らしい。
マジかよ…
なにかの偶然なのか、オリンピックが絡んでいるのか、それともオッサンへの嫌がらせなのか…
オッサンが行く釣り場の先々は工事のオンパレードだ。
港湾の工事って護岸を固めるためにコンクリートを流し込むもんで、そのコンクリートがとてもマズイ。
コンクリートの成分が海に流れ出し、少なくとも10年は魚が釣れなくなると言われている。
よく護岸沿いにテトラポットが沈んでいて、そこが根魚などの良い釣り場になってるんだけど、良釣り場になるためにはそれくらいの時間が必要ということだ。
巨大なクレーン付き台船を見上げながら、別の釣り場に行くかどうか悩むが今更移動するのも面倒くさい。
常連らしき先客の釣り人にサツがてらハゼ釣りの塩梅を伺うが、苦笑いしか返ってこなかった。
山ア賢人とは対極のスパイシーな笑顔で全てを理解したオッサンだが、オッサンにも作戦が無いわけではない。
今現在は満潮で水がコンクリの平場にまで乗っている状態。
平場だからそれほど危なくもない
この写真の水が乗っているもう一段下にも平場があって、その先は護岸石が敷き詰められ、更にその先が平場になっている。
オッサンの作戦は手前ではなくて先の平場狙いである。
水はちょっと濁っていて水温も低いが、いまさらんな事言っても始まらん。
まずはエナジードリンクでブースト。
早朝の炭酸飲料は高齢にこたえるぜぃ!
オッサンになると炭酸飲料はイッキ飲みなんてできなくて、チビリチビリとしか減らせない。
その間に冷凍ホタテの解凍。
冷凍庫の奥底から昨年もののホタテが出てきて、妻に嫌な顔をされた。
まぁよくあるよ!釣り人がいるご家庭あるあるだ。
古いホタテって水に沈まないのね。それだけ水分が抜けてるってことだ
沖を狙う作戦なので、本日使う竿は3.6mをご用意。
「極軽 ハゼ 硬式 360」
極軽と謳うだけあって本当に軽い。
3.6mの長さのくせに竿尻を片手で握り続けても全然疲れない。
この軽さはかなりのアドバンテージになると思います。
オッサンのは「硬式」で硬い方の竿なんだけど、それほど硬さは感じなくて逆に柔らかいと思ってます。
硬式じゃない方ってどんだけ柔らかいんだろ?
全然釣れてない常連と思しき釣り人達は2.7mくらいの竿で近場を狙ってるから、オッサンは沖狙いで爆釣じゃ!
人と同じことやっても違いは出ないから、人よりも抜きん出るには違うことやらな!
虎穴に入らずんば虎子を得ずで、危険を顧みず飛び込むことも時には必要である。
まぁオッサンの場合は大体が入口付近で大虎にぶちのめされるんだけど、別にいいぢゃん?ハゼ釣りなんだし!
久しぶりに長竿での釣行なので、かなり勘が鈍っていて勝手が分からん!
ス〜っと振り込んだはいいがドスン!と着底する。
深さは2m以上もあって「結構深いんだなココ!」
アタリが無いのでチョン!とエサを数cm動かすつもりが、ブン!と浮き上がってドスン!と落ちる。
「こんなに下手だったかな?俺…」
ブン!ドスン!を繰り返しながら探るが全然アタリがないぞ!
マズイな〜、この雰囲気…
お隣りのスパイシー釣り人の気持ちが理解できたのでした。
お隣りさんは(って言っても数10m離れてますが)ホンの手前狙いで、オッサンは5mほどの沖狙い。
どちらも釣れないということは、この釣り場全体の機嫌が悪いという事になる。
目の前は水路なんだけど、その水路の真ん中あたりで鵜が浮き沈みしている。
つまりハゼはアソコにいるということで、こんなのべ竿でチマチマやっててもラチがあかない事を示している。
開始から30分経過し、生命反応のないハゼ釣り場。
一応、長竿での試合勘も戻ってきて数cmの誘いも難なく出来るようになっているが、な〜んも反応なし!
ある時、入れ替えのために竿を上げるとプラ〜ンと小さなハゼがくっついてた。
何だ?コイツ?
長竿で分からなかったということもあるが、この釣れ方は居食いになってるということで厳しい典型的な喰い方である。
釣れた!というよりもくっ付いてた
このサイズで居食いされると厳しい。
打開策でハゼに引っ張らせるのにス〜っと僅かにズル引きする手もあるんだけど、この長さの竿でそれは難しいし、何よりもパク!とくわえたアタリが感知できない。
仮に気づいたとしてもエサを離すんですよね。
現に忘れた頃にアタってくるんだけど、ハリ掛かりしない事も多々ありました。
その内にアタリさえ無くなり、釣り場は重い空気が淀む。
少ない釣り人もひとりまたひとり居なくなり、寂しい限りだ。
望みがあるとすれば、もう少し経つと満潮から引き潮に変わるので潮が動き始める。
そのタイミングでどう変わるのかでオッサンは考えよう。
全然、ハゼが居ないわけでは無いんです。
ハゼは結構いるんです。
潮が止まるとハゼは岩の上に乗るので、オッサンが移動するとそのハゼ達がピピッ!っと逃げるのが見える。
しかしこのタイプはエサを全く食べようとしないのが常。
ダメ元でオッサンも竿を2mにチェンジして見えハゼを狙ってみました。
オッサンの愛竿「そよ風」投入!
岩上のハゼの唇にエサを擦り付けるがハゼは知らん顔。
「さぁ、食事ですよ〜」っとツンツンお口にお運びする食事介助する介護士の心境である。
しかし被介護者は拒否するのでした。
ブチ切れて「おまいら今喰わなくていつ喰うんだよ!今でしょ!!」っとカビの生えたリフが出るが、無反応なハゼ様なのでした。
満潮が終わり潮が引き始めるが、状況は変わらず。
絶望の中、3時間粘ってみたが7匹と木っ端微塵に爆砕。
コレってマジかよ!
信じられないし、信じたくない釣果を引きずりながら、帰りながらこのブログの言い訳を考える。
なっちまったもんはしょうがないが、しょうがないで済ませるにはあまりにも酷い有り様。
あの場でもっと出来ることはあったハズなんだけど、いったい何ができたんだろう?
仕掛けを変える、エサを変える、釣り方を変える、狙いを変える…
よく成功よりも失敗から学ぶことが多いとは言う。
今回のは著しく釣果が少ないのが失敗と言えるかも知れないが、どうすれば改善するんだろう?
何かを改善するっても、まだハゼ釣リを始めたばかりというなら仕掛けとか竿とかをいろいろ試したりするだろう。
しかし、オッサンみたいにある程度自分の型が決まってしまうと、なかなか型を破るというのも難しい。
そもそもがいろいろ試した挙げ句の結果が現在であって、いまさらウキ釣りに戻ることもできんのだ。
釣れないもんだから、釣り場では端から端まで釣り歩いたし、短い竿で手前の岩の隙間で穴釣りさえもしてみた。
考えうる限りのことはやってみたのである。
んで結論が、釣れる状況じゃなかった!という決め台詞だ。
このように、検証や会議なんて結局は結果の分かりきった当たり前の結論に落ち着くのが常だ。
人間側が手を変え品を変え、釣れるような策略を仕向けたところで、結局は釣れる釣れないはお魚の気分次第なのである。
っという訳で、オッサンが今回学んだことは釣れる時に釣れる場所で釣れるやり方でやれば釣れる!である。
まぁ、これはオッサンの釣りの座右の銘で、コレがひとつでも欠けると釣れないのである。
しかし、どうしたらハゼが釣れるんだろう?
ハゼはたくさんいる。
そりゃ〜昔に比べれば激減と表現するくらいに減ってるんだろうけど、それでも人間が釣りをするのに困らないくらいはいるんだと思います。
そのハゼたちは、一体いつ何時エサを喰うようになるんだろう。
絶対に喰う喰わないのon・offスイッチがあって、それが全ハゼに共有されているハズ。
さっきまで喰ってたのが途端に喰わなくなる現象は、釣り人なら誰もが経験してますよね。
揃いも揃って同じ行動を取るんだから、どこかにその現象をとらせる原因があると思うんだけど…
それがサッパリ分からないんだよね〜
でもそれが分からないのが釣りの魅力なのかも知れませんね。
釣れてばかりじゃつまらないもん。
だからソレを知らないほうが幸せなのかな?
世の中には知らないほうが幸せなことが多いように。
さて、ハゼが釣れるようになるのはいつになるやら…
その時まではアンニュイなハゼ釣りが続くんだろうけど、とにかく楽しみに待つしかないか。
全然釣れないからもう帰ろうと思っていた時、先に帰り支度をしていた常連さんがこの釣り場付近のヒストリーを語ってくれた。
釣り人の戯言は何かと尾ひれが付きまくるけど、ハゼ釣りを50年間見つめ続けたような眼光と潮焼けした顔面のシワがこの物語に説得力を増していた。
その常連さんはこの近所に住んでるらしく、ここでずっと釣りをしていた。
まだこの釣り場にポンプ場ができる前は砂浜だったらしく、カレイやらタチウオの稚魚やらイナッコやらがワンサといたらしい。
カレイなんて網で砂地をザ〜っとすくうだけで捕れたもんだ!
現在は釣り場のすぐ隣りに複合福祉施設のでかい建物があるが、ここにはその昔は造船所があったそうな。
この建物の前は造船所だったらしい
その造船所の為に、この先の釣り場にある「森ヶ崎海岸公園」の所に掛かっている日本でも珍しい回転橋「羽田可動橋」を作った。
世にも珍しい可動橋
でも橋を作ってから僅か一年で造船所が倒産し、可動橋の意味が無くなってしまった。
タイミング悪く湾岸道路も開通したので他の便利なルートが確立し、この橋は完全に用無しになった。
当時の金額で5億も掛かった橋は、たった一年でただのオブジェと化したのでした。
取り壊すにも金がかかるので現在もそのままにしてあって、つい数年前までは管理人が常駐していたらしいが予算の都合でそれも居なくなった。
可動橋という名のこのオブジェも放ったらかしだと動かなくなり朽ち果てるだけなので、年に数回は動かすとのこと。
どんな所にも歴史があるものだ。
あの可動橋が動く様をぜひ見てみたいが、今なら莫大な予算を掛けて作った施設がたった一年で役立たずになったら大問題だが、昔は寛容というか景気が良かった時代である。
昔を知ってるだけに、ハゼすらも釣れにくくなった現在のこの様を語る姿には哀愁が漂っていた。
オッサンもこうなるんだろうか…
「今は全く生きものがいなくなったが、昔はハゼがよく釣れたもんじゃ!」と釣り場で遠い目をする姿が目に浮かぶ。
かつては深刻な汚染により「死の川」とも呼ばれた多摩川も、現在は鮎が戻るほど環境保全が進んだように、ここらへんの釣り場もハゼを網ですくえるくらいに戻って欲しいものだ。
自然を壊すのが人間ならそれを治せるのも人間である。
自然の力以上で破壊したのなら、ソレをそれ以上の力と希望で元以上に戻せるのも人間の英知なハズだ。
【自然は祖先から譲り受けたものではなく、子孫から借りているものだ】アメリカンインディアンの言葉だったと思うが、借りたものは利子を付けて返さなくちゃならない。
後の子孫に胸を張れる現代であって欲しいものだ。
ちなみに全然関係ない話だけど、オッサンも忘れた頃に訪れる釣り場【東海埠頭公園】
この公園の駐車場は無料で、土日は奥側も開放して結構な台数停められるようになっていた。
んがしかし、残念がらコインパとしてのリニューアル。
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無料というのもリスクを伴うからこの良し悪しは何とも言えないが、世知辛い世の中である。
まぁオッサンはチャリンコ移動だから、しょせんは他人事だし!